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商店街を


旅する休日

すいいちさんぽ

阪急神戸線の王子公園駅を下車し、水道筋商店を5分ほど歩くとアーケードが終わります。
商店街も終わりかな?と思いきや、いやいやここからがホントの人情商店街。
『すいいち』と呼ばれるこのエリアには、
水道筋商店街の中でも“ここにしかない”おもしろいお店がいっぱい!
そんな『すいいち』をお散歩してみます。

とある土曜日。
王子公園駅に着いたのは13時少し前。
天気も良好。風も気持ちいい。
絶好の散歩日和だ。
さあ、商店街を旅しよう。

SPOT01 PM1:00

鬼塚山 照光寺 イメージ写真

商店街を見守る、すいいちの"お母さん"

鬼塚山 照光寺

まず初めに訪れたのは、水道筋商店街で最も東にある『すいいち』の中でも、さらに東に位置する「照光寺」。
大正13年に説教所として設立されたこのお寺は、なんとまもなく100周年を迎えるんだそう。水道筋商店街を見守ってきた母なる存在と言えるかもしれませんね。
お寺に入る前にまず目に飛び込んでくるものは、「灘百選」の文字。実はこのお寺の一角には、6世紀頃に築造された鬼塚古墳という古墳跡が残っています。昭和11年に発掘された時は、須恵器や鉄器、人骨などが出てきたらしいですよ。現在も灘区の歴史を知る重要な古墳として、照光寺で大切に保管されています。

鬼塚山 照光寺 イメージ写真

特に用がなくても、気軽に立ち寄ってください♪

そんな灘区の歴史に思いを馳せながら奥へと進むと、目の前に現れるのは立派な本堂。
この本堂は檀家さんだけでなく、地域の人たちが集う場所となっていて、落語会やクラフト体験などのイベントも開催しています。」と教えてくれたのは、住職の3代目住職の津守さん。
最近、特に人気なのが、毎月24日に開催される写経体験だそうです。心が洗われるということで、ご年配の方だけでなく、若い人や親子で来る方もいらっしゃるとか。
「買い物の休憩にふらっと立ち寄るくらい気軽に来てもらえれば。」と話してくれました。

鬼塚山 照光寺 ワークショップ写真
写経やクラフト体験、ワークショップを行うなど、お寺でありながら、地域のコミュニティスペースにもなっています。
鬼塚山 照光寺 外観写真
荘厳な仏さまがお迎えしてくれます。
鬼塚山 照光寺 ご夫婦写真
仏様のような優しい笑顔のご夫婦が
お出迎えしてくれますよ。

鬼塚山 照光寺 浄土真宗(西)本願寺派

078-861-0538https://br-promotion.jp/shokoji/
SPOT02 PM2:00

串カツ 船越 イメージ写真

おいしさノーベル賞級!?
土日は昼呑みもできる絶品串カツ

串カツ 船越

清らかな空気の照光寺で心がほっこり満たされた次は、お腹を満たしに串カツ船越へ。なんと船越はiPS細胞を作製した山中教授が学生時代によく通っていたお店だというからビックリ!
店内には山中教授と店主の2ショット写真が額に入って飾られており、その親密さが伺えます。思わず頭が良くなりそうな串カツ船越のメニューは約40種類。豚肉や牛肉に始まり、玉ねぎやレンコン、椎茸といった野菜、えびやタコ、冬季限定の牡蠣などの海鮮まで、とっても豊富なメニューで注文に迷ってしまう!
こうした食材は、なるべく水道筋商店街から調達しているらしく、船越は文字通り商店街を味わい尽くせる場所です。

串カツ 船越 イメージ写真

地元民も御用達!
そのヒケツは油と秘伝のソースにあり。

厨房に立つ船越さんに人気メニューを聞くと、う~ん...と少し悩みながら「強いて言うならジャガイモかな?」と教えてくれました。それを聞いてジャガイモを頬張ると、確かにほっくほくで甘みがたっぷり!幅広い世代に愛されるのも納得です。
そんな船越のこだわり1つは油。牛脂100%で上げられた衣は、そのまま食べても美味しい。さらに、創業より67年間継ぎ足され続けてきた秘伝のソースをつければ、これまた絶品。コクのあるソースが食材の旨みを引き立ててくれ、もうビールが進む進む…。平日は16時オープンですが、日曜、祝日は14時から開いているので、昼飲みしたい人は是非!

串カツ 船越 食事写真
土日はすぐに満席になるのでご予約を。
狙い目は木曜日!
串カツ 船越 山中教授との写真
もしかしたら船越の串カツも
iPS細胞発見に少し貢献しているかも!?
串カツ 船越 大将写真
伝統の味は息子さんへ脈々と受け継がれています。

串カツ 船越

078-802-1139

月曜、第3火曜店休・16時~23時半(日・祝は14時から)

https://sui1.info/shopDetail/24_funakosi.html
SPOT03 PM3:00

丸二家具 イメージ写真

木を愛し、木に愛された
ほんものの家具職人がいるお店

丸二家具

お腹が満たされた後は、再び『すいいち』の散策へ。
のんびりと歩いていると、木製の家具や可愛いおもちゃがずらりと並ぶお店を発見! 創業67年を迎える丸二家具です。ここに並ぶ家具の多くは、ご主人の仁熊さんが製作されているというから驚き。つまり、仁熊さんはオーナーであり、家具職人でもあるんです。
1階は仁熊さんが作った家具や食器、おもちゃなどが並んでいて、2階には製材所から購入した木材がズラリ!

丸二家具 イメージ写真

しんどいけど(笑)オーダーメイドに応え続けますよ!

家具についていろいろお話を聞いていると、さらに驚くことが…。
実は注文のほとんどを、オーダーメイドで受けているというんです。
一つひとつお客さんの要望を聞きながら作る仁熊さんの家具は、国内外から評価されていて、海外のお客さんも来店されるほど。「オーダーメイドなんて、しんどいだけですよ!」と笑いながら話す仁熊さんに、それでもオーダーメイド家具を作り続ける理由を尋ねてみると、「その家、その人に合った家具を作るとすごく喜んでくれるから。」と、職人らしい答えをくれました。1万円もらったら、1万円以上の価値があるものにして返す。そんな職人魂のこもった言葉が心にじーんと響きました。

おもちゃ人気No.1のどんぐりころころの写真
おもちゃ人気No.1のどんぐりころころ。
愛らしい表情と、少しどんくさい動きが人気の秘密。
レコードフレーム写真
仁熊さんお気に入りのレコードフレーム。
レトロな店構えも素敵です。
丸二家具 看板写真
お店のかわいい看板ももちろんお手製です。

丸二家具

078-861-1664

火曜日店休・9時半~17時(月曜のみ16時半まで)

https://sui1.info/shopDetail/13_maruni.html
SPOT04 PM3:00

caféみつみつ イメージ写真

父から娘へ紡がれた地元民憩いの場所

caféみつみつ(3232)

メイン通りから一本裏路地を入ると、これまでの商店街のお店とは一味違うおしゃれなカフェ。ちょこっと休憩するにはちょうど良い雰囲気です。お店の名前はcaféみつみつ(3232)。
JAZZが流れる落ち着いた雰囲気の店内を見回すと、ふと気になるものが。
1枚の瓦が飾られているのです。その理由をオーナーの田中さんに聞いてみると、「以前ここで父が田中金盛堂という瓦煎餅屋さんを営んでいたんです。
その場所をリフォームしてカフェをオープンしたのですが、その名残として父がお店で使っていた瓦を飾っています。」と教えてくれました。その他に、トイレの扉にも当時使用していた包装紙がディスプレイされていて、古くからこの街に住む人にとっては、新しいお店でありながら、懐かしさも感じられるお店の造りになっています。

caféみつみつ チーズケーキ写真

子どもも安心して食べられる素朴で優しいケーキ

お店の自慢はなんと言ってもこれ!自家製のチーズケーキ
子どもも安心して食べられるようなシンプルな材料を使ったチーズケーキは、甘すぎることなく、とても純粋で素朴な味。
「父の煎餅も素朴な味でした。“ありのままを出せばよい”というのが父の教えです。」と、そのチーズケーキには、形を変えながらも田中金盛堂の精神が受け継がれていると田中さんは言います。チーズケーキとタルトは、季節の果物を使用するため、シーズンごとにいろいろな味が楽しめるんですって。ちなみに店名のみつみつは、田中光恵(みつえ)さんのお名前が由来だと少し照れながら教えてくれました。

おもちゃ人気No.1のどんぐりころころの写真
オーナーのみつみつさんこと、
田中光恵さん。
オーナー田中光恵さん写真
季節ごとに変わるスイーツにも注目。
鉄道模型の写真
キッチンの奥にはなぜか鉄道模型が!
お父さんのご趣味だそうです。
caféみつみつ 外観写真
おしゃれでリラックスできる
雰囲気が心地よいカフェです。

caféみつみつ(3232)

078-801-3277

水曜・木曜定休日・11時~17時(L.O.16時半)

https://sui1.info/shopDetail/20_3232.html
SPOT05 PM3:00

石原商店 イメージ写真

八百屋? いえ、鳥取屋です。

石原商店

「そろそろ晩御飯のことも考えないと…」そんなことを考えながら歩いていると、おいしそうな野菜たちが並ぶお店を発見。鳥取の食材や特産物を取り扱う石原商店です。どうして水道筋商店街で鳥取の野菜を販売しているのだろう?
そんな疑問を投げかけると、「阪神淡路大震災が起こった頃、果物屋でバイトをしていて青空市場で果物を売っていたんです。その時、偶然目の前で鳥取から野菜を売りに来ている方がいて、仲良くなったご縁で数年後にその方に代わって私が鳥取の野菜を売るようになりました。」と店主の石原さん。毎週火曜日と金曜日に石原さん自らがトラックを運転して鳥取に野菜や果物を買い付けに行っているんだそう。

石原商店 イメージ写真

キラキラと輝いて見える野菜たち。その秘密は…

石原商店の食材の魅力は、なんと言っても“旬のものしかお店に並べない”ということです。鳥取は水分を含んだ雪が多く降るため、ビニールハウスが作れません。そうすると、1年中、同じ野菜を収穫することができず、必然的に旬のものしか出回らないのだそうなんです。これが石原商店の食材がおいしそうに見える最大の理由でした。
普段鳥取にしか出回らないような珍しい野菜や果物が並ぶこともあって、料理が好きな人はお店を見て回るだけでワクワクすること間違いなし。現在は食材に限らず、鳥取のお酒や肉、調味料など、幅広く取り扱われているため、石原商店だけで晩御飯の準備がばっちりできます。「野菜のおいしい食べ方などもお教えしますので、是非気軽に覗きにきてください!」と石原さんは気さくに話してくれました。

石原商店 店内写真
片っ端から味見したくなるくらい全部おいしそう!
店の一角には店主の鳥取愛が垣間見える無料図書コーナーが。
石原商店 外観写真
どんなお野菜があるのか見に行くだけでも価値アリ!
石原商店 地酒写真
鳥取は実はおいしい地酒もたくさん作られているんです。

石原商店

078-200-5772

毎週日曜、月曜日店休・10時~18時

http://www.anshinyasai.jp
SPOT06 PM4:30

灘温泉 イメージ写真

〆はこれで決まり!
レトロ好きにはたまらない老舗温泉

灘温泉

晩御飯の買い物を終えたら、商店街ツアーの締めくくりはここ、灘温泉!
銭湯ではなく、温泉というところがなんとも嬉しいところ。しかも、源泉かけ流しです。入口で出迎えてくれるのは観音様。通称“さすり観音”という名前で、自分の身体のつらいところと同じ場所を、源泉で濡らした布やタオルでさすると良くなるのだとか。
昭和7年に六甲道店を創業した灘温泉は、6年後の昭和13年には水道筋店もオープン。80年以上の歴史をもつ老舗温泉です。その歴史は出入口にあるレトロな靴箱や傘入れから感じることができますよ。
ちなみに、傘入れはレトロすぎるあまり、鍵を無くすと大変なこと(?)になるようなのでご注意を!

灘温泉 浴場写真

『ここに通ってくれているお客さんは、
 みなさん本当に元気なんです』

灘温泉の最大の魅力は、34度のぬるめの温泉と42度のあたたかい温泉にはいれることです。冷浴1分、温浴1分を繰り返すことで、交感神経と副交感神経を刺激し、自律神経のバランスを整えてくれます。炭酸もたっぷり含んだお湯の効能は、神経痛、五十肩、冷え性、疲労回復、慢性婦人病などなど…。
カランから出てくる水も、六甲山麓の伏流水、天然ミネラル豊富な自然地下水を使用しており、もう元気にならない理由はなさそうですね。
「ここに通ってくれているお客さんは、みなさん本当に元気ですよ!」と話してくれた西本さんの言葉が何よりの証拠かもしれません。お風呂上りには、種類豊富なソフトクリームやご当地サイザーもおすすめです。

灘温泉 ソフトクリーム写真
種類豊富なソフトクリームを食べながらクールダウン。
灘温泉 ドリンク写真
定番のフルーツ・オレから珍しいご当地サイダーまで湯上りのドリンクも豊富です。
灘温泉 入り口写真
このスマイルを見るだけで元気になれそう!

灘温泉 水道筋店

078-861-4535

不定休・朝5時~深夜0時(チェックインは23:30まで)

http://www.nadaonsen.jp/

温泉でリフレッシュしたら、もう外はすっかり夕暮れ。
今回訪れたのは50店舗あるうち、たったの6軒です。
まだまだ『すいいち』には魅力が隠れていそうな予感がしつつ、
商店街の人たちのやさしさと美味しいものたちに心も体も満たされて、
その日は帰路に就いたのでした。